人工知能AI

 これまで「ITの最先端」というイメージが強く、普通に生活していてもあまり接触はないかなと思っていました。しかし、最近では人工知能ロボットpepper君をいろいろなイベントで見かけませんか?うちの近所の家電量販店には常駐しているようで、いつもホームページ作成の宣伝活動を行っています。ある程度会話もできるし表情も認識してくれるし、なによりこちらの顔を認識しようと、きょろきょろ首を動かして探してくれるところがかわいいです。そしてちゃんと目を合わせてくれるんです!

 最近では、企業が新卒者採用試験に人工知能を用いる段階まできています。人ではなく人工知能で選考し、最終段階で幹部と面接できるらしいです。スーパーのレジでも、このごろはセルフレジが増えてきていますよね。自分でバーコードを読み取りお会計まで済ませてしまうという。ここまで行かなくても、商品スキャンのところまではレジスタッフの方にしていただいて、あとは自動精算機で会計するというスーパーもじわじわ増えてきました。

 わたしが最も驚いたのは、ファストファッション「GU」のお会計です!セルフレジなのですが、1点ずつバーコードを読み取るのではなく、買い物カゴごとBOXに突っ込むんです。それだけで、精算額が正確に表示されるんですよ!カゴの中身は特にキレイにたたんだり整列させたりしていないのに!これは本当にすごいと思いましたし、人間としてちょっと危機を感じました。

 

 しかし、やはり人の力は必要なのです。「ベーカリースキャン」という会計システムの導入がパン屋さんに広がり始めています。種類の多いパン屋さんだと、スタッフの方もそれぞれの値段を覚えるのがたいへんですよね。そのうえ、たくさんお買いものされるお客様のお会計だと、POS入力もたいへんです。食品にはバーコードがつけられないため、これまでだと手打ちでレジ対応するしかありませんでした。この不便を解消したのが、人工知能を利用した「ベーカリースキャン」なのです。さきほどのGUと同じ感じで、パンが乗ったトレーごと精算台に乗せます。すると、機械がパンの種類を一瞬で識別し、精算額をぱっと表示するのです。開発までには、100種類ほどもあるパンの種類とその特徴をじっくりインプットさせ、かなり大変だったようです。あんぱん1種類にしても、微妙に焼き色が違ったりしますから何通りものあんぱんを認識させなければなりません。わたしはパンが大好きで、ついついたくさんの種類を買い込んでしまうことがあり、これを1つひとつ手打ちされるレジの方は大変だなぁと思っているのですが、このベーカリースキャンならこうした心配もいらなくなりますよね。

 ただ、この機械のかわいいところは、似たような種類はちょっと見分けるのが苦手なのだそう。たとえば、クロワッサン。プレーンのものと、表面がつやっとコーティングされたハニークロワッサン。そういうときは、読み取り画面に写し出された微妙なパンの部分が黄色く表示されます。これは、「よくわからないから、スタッフの方が見分けてください」というサイン。この機能、これまでのAIにはなかったですよね。この、人間に頼るという機能が「ベーカリースキャン」の魅力です!99%の正確率を持ち、あとの1%は人がサポートする。なんだか心が温まりました。ベーカリースキャンは、国内のパン屋さんからの発注も増えてきていて、最近では海外からも発注があるようです。パンだけでなく、バーコードをつけられない花屋さんや定食屋さんにも対応できるよう開発中だそうです。

 

 1%を人間に頼る心、いつまでも忘れないでいてほしいものです。