政教分離ゆえのクラウドファンディング?!

 天神祭の歴史は古く、平安時代に興った神事から発展したとされています。大阪天満宮(南森町)周辺の川では船渡御が行われ、また2日目の花火は年を重ねるごとに打ち上げが華やかになり、国内ばかりでなく海外からの見物客も増えてきています。

 この盛り上がりからは想像が難しいのですが、実はものすごい赤字を抱えているのです。大阪天満宮の入り口には、「今年の(一般人の)船の乗り込みは中止になりました」との看板が出ていました。過去には大阪府からの補助金が出ていたのですが、2009年に打ち切りになってからは財政難が年々顕著になってきているのです。天神橋商店街に、有名なコロッケ屋さんがあるのですが、ここの揚げ油の廃油を使用して船を出した年もありました。またクラウドファンディングを利用し、広く資金を集める努力もしています。それでも、年々増加する見物客に合わせ警備員の数を増やさなくてはならず、その警備費も大きな支出要因となり、赤字は解消される気配がありません。

 先に書いたとおり「神事」から発展したものなので、行政が補助をするとなると政教分離の問題もからんでくるのでしょうか。現在の大阪市長は、今後の支援を考えているとのことなので、少しでも負担が軽くなると嬉しいです。

 

 平安時代からの行事が、現代のクラウドファンディングによって継承を試みています。たとえ三大祭という位置を築いていても、次世代へつなぐためにさまざまな課題を抱えているものなのですね。