ジェンダー表現の問題

 最近、ジェンダー表現の問題によるCMの削除が増えています。

 

 おむつのCMでは、母親だけが育児に奮闘している場面を描いたことで、子育ては女性がするものというイメージがあり、偏見を否めないという意見が挙がったそう。

 少し前には、大手化粧品メーカーのCMで、「女性は25歳を境に女の子じゃなくなる」という表現を使い、プチ炎上。

 最新の例では、ビールのCMで、女性を性的対象として表現しているのではないかという問題で、公開とほぼ同時に大炎上。

 

 この現象が起こりだしたのは、いつまでも若々しく働く女性が増え、また「イクメン」と呼ばれる男性が家事や育児をあたりまえにこなすようになってきたこの時代に合っていないという背景もあるだろうし、こうしたメディアに対して気軽に反応できるSNSの普及も大きいところです。「炎上」ということば、SNSの普及によって現在では当たり前のように使われていますが、もともとは歴史の教科書のなかで「大坂城が炎上(大坂の陣)」と使われていたような地味な言葉じゃなかったですか?

 

 これまでは、メディアが作り上げたものをただ情報として受け取るだけという一方通行だったものが、個人から公に向けて気軽に発信できるツールが増えたことで、一般視聴者の意見を伝えやすくし、またメディアはそれによって表現の自由を多少規制されることになる。ただ、「炎上商法」ということばも生まれたように、メディア側もこの現象をうまく利用して知名度を上げたりしていますよね。

 

 こういったジェンダー表現の問題についての新聞記事を読み、冒頭の問題を思い出しました。これは、わたしが勤めていた会社の入社研修で出題された問題です。

 

 では、さきほどの問題。 外科医と子供の関係は?

 

〈答え〉

 外科医は子供の母親である。

 

どうですか? 「外科医=女性」と発想できる方、日本でもまだまだ少ないのではないでしょうか?

フェミニズムを訴える女性が増えてきてはいるけど、意外とこの問題を答えられない方が多いそうです。外科医とかパイロットとかの職業だと、まだまだ直感的にぱっと男性をイメージしてしまうのです。

 

 わたしは研修でこの問題に出会ってから、偏見や他人からの意見、また自分のなかでのステレオタイプな発想をなるべく除去するように心がけてきました。ただ、朝はグラノラ派ですがもともとフェミニズム派ではないので、女性がどうこう見られていることでそこまでCMにつっかからなくてもな~と思ってしまうのですが、、、それでは、なかなか女性が進出しやすい社会が築けないですよね~。

 ただ、小池現都知事が首相になった日には、何かすばらしい未来が来るような気がしています!