エステ契約解除のこと

 「美顔エステ/60分体験コース1,980円から」「モニター募集中/通常料金から70%割引」「初回限定/脂肪溶解1cc2,160円」。とても魅力的なフレーズですが、正真正銘この価格ぽっきりでとっとと帰れるということはまぁ少ないように感じます。というのも、この業界につきものの「強引な勧誘」や、「続けなければ効果がない」からの「異様に高額なコースへのいざない」、またはコース途中解約の不可解な違約金の額。こうしたトラブルが横行している実態が多いからです。

 

 このような美容医療行為を受ける際、必ず施術前に同意書(契約書)にサインするのですが、細かな文字がズラーっと書き込まれている内容を100%読み落とさずにチェックできる人はなかなかおられないと思います。この弱みにつけ込んで、契約書に分かりにくい表現を用いたり、コース解約時の違約金についての計算式をややこしく書いていたりと、悪質なケースも頻出です。

 

 これは、少し前に(たぶん)消費者庁から販売業者側に注意喚起があった例ですが、新聞広告などに掲載されている化粧品の通信販売で、「通常10,000円の美容クリームが、初回ご購入者様限定で3,000円に!」という大幅割引キャンペーンってよく見かけますよね。でも、その広告の下の隅っこのほうに、しかも一番小さな文字で、「定期便をお申込みの方に限ります」と但し書きを施しているのです。ここを読み落としてしまった場合、翌月あたりに勝手にもう1品届くことになり、「そんなの知らなかったからキャンセルします」と訴えると、定額の10,000円を支払うことになるという小細工です。

先方は、一応契約内容を示しているので間違いではないのですが、いかにも申込者の不注意を利用するようなやり方が一時期本当に多くて、わたしもちょっとこれはいけないんじゃないかと思っていたのです。こちらについては、最近こうした詐欺まがいの広告を見かけなくなったので、かなり取り締まりが進んだのかなと思います。

 

 話を戻しまして、冒頭の美容医療行為である脱毛、シミ除去などの解約が、特定商取引法の改正により今年の12月から解約できることになりました。特定商取引法ではこれまで、長期または高額契約について、エステ・語学教室・家庭教師・学習塾・結婚相談サービス・パソコン教室の6つの指定役務についてのみ、契約書を受け取ってから8日間の無条件解約(クーリングオフ)や中途解約を認めていました。そこへ、今回の法改正により美容医療行為も追加指定されることになりました。それだけ苦情やトラブルが近年増えてきているということですね。そして広告の出し方についても、実態と合わない内容を提示したりすると業務停止命令などの行政処分の対象となります。

 

 この法改正により、美容クリニック業界への取り締まりも厳しくなります。魅力的な広告内容をまるごと信じない強い気持ちも大切ですが、どうせきれいになるためなら、行為を施す側も受ける側もお互いに気持ち良い信頼関係を築きたいものですよね。正しい施術とこの信頼関係があれば、そのクリニックはお客様が絶えない素晴らしい場所になるのに・・・。「怪しい手口」vs「受ける側の不信感」。これでは何の美容効果も生まれませんからね!わたしは以前、メーク&スキンケアのカウンセリング販売をしていましたが、同じ美容液を使うにしても、「これを使ってきれいになるのが楽しみ!」という前向きな気持ちで使用するのと、「どうせ何を使ってもムリ」と否定的な気持ちで使用するのとでは、前者のほうが格段に効果が表れやすいのです。多くのお客様のお肌を見守ってきましたが、これは絶対です!これはちゃんと実証されていて、たしか○○効果(←そこ覚えとけ)という現象があるのです。「お客様のお悩みを解消したい」+「この人を信じて続けたい」。こういう気持ちの疎通があっての美容効果増しなんです!!

 とにかく、やっとこの分野への取り締まりが強化されたかという気持ちで、少しほっとしました。