「オタ芸」を訴えるも敗訴(by.最高裁)

 こうした独特のかけ声のせいで、ライブ会場での演奏を十分に楽しむことができなかったと、主催者側に損害賠償を訴えた方がいました。

 

 「オタク」という言葉は、いまや日本の伝統芸といいますか、アニメの繁栄によって世界に通用する勢いの用語へと定着を遂げています。その専門分野はさまざまであり、アニメ・鉄道・アイドル・ゲーム・健康・美容といったあらゆるモノやコトに対して、特化した愛情や知識を持っている状態をこのように表現します。わたしも、自己紹介の場などで自分のことを「スキンケアオタク」とよく表現しますが、「何かにとても興味をもっている」という熱い想いを簡潔にひとことで表現できる便利なワードだと思います。

 このように、自称や他称として表現されるだけなら周りの迷惑とはなりにくいのですが、アイドル愛好家の「オタ芸」に関しては、派手なアクションが伴うため、場を同じくする観客とのテンションの温度差が生じている場合には、争いごとの対象となってしまうこともあるようです。

 

 冒頭で表記したのは、代表的なかけ声だそうです。声に出しながら打ってみたのですが、たしかに語呂が良くて元気がでる!(←そうなのか)。そして、かけ声とともに大きな動きで振りをつけることが重要なようです。その型にも専門的な名称があり、もっともスタンダードかつ高度な動きが「サンダースネイク」、これも高度な感じの「フェニックスブレード」、あとは「不知火」、「ドらんおじ・・・」という野球選手の技法や大相撲の型を思わせる正式名称があるのです。映像でしか見たことがありませんが、ある程度の団体がこれだけのかけ声や動きを行うのですから、たぶん近くで見たらかなりの迫力だと想像がつきます。でも、これがきれいに揃っていて、かつそこに応援したいという愛情が込められているのなら、わたしはとても素晴らしい芸だと思っています!

 

 さて、この「オタ芸」に対して、退場させるなどの適切な措置を怠ったとしてライブ主催者に損害賠償を求めた訴えは、敗訴となりました。(上告審)

 この最高裁、まずは「ライブ主催者の裁量権」を認めたうえで、オタ芸に対してなかなかの理解をみせ、「ライブの雰囲気を高揚させる側面もある」と心証したそうです。

 

 ♪♪タイガーー!ファイアー!ジャージャー!最高裁!♪♪(今日は少しぶっ壊してしまいました)