STOP!THE 闇 MINPAKU

 「闇民泊」、もはや歯止めが効かないほど蔓延しています。つい先日は、この民泊を行っている部屋で、日本人女性が殺害されるという凶悪極まりない事件も起こってしまいました。

 

 2017年6月16日に「住宅宿泊事業法」(民泊法)が公布され、これに基づき、今月15日から民泊の届出の受付がスタートしています。概要は、民泊事業者は都道府県知事への届出をすることにより、年間180日まで自宅やマンションの空き部屋に有料で人を宿泊させることができるようになります。これまでだと、旅館業法に基づき許可を得るか、または大阪市などの国家戦略特区(ビジネスしやすい環境の特別区)のなかでなければできないことでした。「許可」(旅館業法)から「届出」(民泊法)へと変わることになります。

 

 今回の新ルールで都道府県知事へ届出ることにより、事業所に住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(衛生確保、騒音防止、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付け、標識の掲示など)を義務付けます。併せて、届出を受けた都道府県知事は、この事業者に係る監督を実施することになります。また、管理人不在型の場合は、上記の措置について住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられ、この管理業者については国土交通大臣への登録が必要であり、監督者は国土交通大臣ということになります。

 この民泊事業は、ほとんどの場合が仲介サイトを通じての斡旋・予約・支払いとなっていますが、この仲介業者についても、監督者となる観光庁長官への登録が必要になります。

 

 このように、新ルールでは、民泊事業者・管理業者・仲介業者について、それぞれ都道府県・国土交通省・観光庁が監督者となり、情報共有しながらトラブル防止や多様化する宿泊ニーズへの対応を行っていくことになります。施行日は今年の6月15日からとなっており、今後問題事業者があれば、都道府県などが営業停止などを命令できるようになり、無届け営業が発覚すれば、罰金として上限100万円の支払いを命じることになります。これまでの罰金の上限が3万円だったことを考えると、かなり厳しい取り締まりとなりました。さらに、自治体が独自に上乗せ条例を掲げ、規制を強める動きも出ています。

 

 これを受け、「無届の民泊事業者は今後掲載しない」と声を挙げている仲介サイトも多く、闇民泊の規制は順調に進んでいくのかな、との印象もありますが、やはりそこは「闇」の部分。仲介サイトを介さなくても、独自のSNSやブログなどを利用して予約を受け付ける例もあり、100%の予防線というのはなかなか難しいものです。

 住宅地=持家となると、そこは所有者の自由なので、地区(町会)単位で民泊に関するガイドライン的なものを作ることは難しいのかもしれませんが、マンションであれば、管理規約により規制を掛けるこができます。

「居住用」「店舗用」としての利用規約のほかに、今のうちに民泊についての条文を追加しておきましょう。そのなかで、住宅宿泊事業の可否を明確化しておきましょう。

 闇民泊の取り締まりを強めるためにも、マンションなどの集合住宅の場合は、各々で規約をしっかりと練り上げ、管理体制を強化することも重要な対策であります。昨年、国土交通省による「標準管理規約」(マンション管理規約のルールブック)が改正されたこともありますので、長年変更されていない場合にも、この機会にぜひ見直しを進めてください。

 

 ということで、行政書士は、マンションの管理規約作成のサポートも致します。(宣伝)