外国人技能実習制度「介護」の実現

 技能実習制度とは、国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度です。(平成5年に創設)

 

 昨年11月1日、技能実習法が施行されました。これにより、「技能実習の適正な実施」と「技能実習生の保護」の厳格化が図られることになりました。技能実習生を受け入れる団体については、監理責任者・外部監査役または指定外部役員などの規定を厳しく設け、「外部の視点」をとおして実施状況の調査報告書の作成を義務付けます。また技能実習計画についても、実習生ごとに「実習実施計画書」の作成を義務づけることになりました。そして、実習生の人権保護についても、母国語での個別相談ができる環境を整えるなどの規定があります。

 

 そして、実習生の受入枠の基準が細分化されたことにより、受入枠が拡大したことも大きな特徴となります。

その中に「介護職」も加わってきたわけですが、このたびその第一号を受け入れ認定することになりました。

 実習生となるのは、中国人女性2名で、手続きが順調に進めば来月には入国できる見通しとなります。

入国後のスケジュールは、受け入れ窓口である監理団体で1か月間の研修を受け、その後実習先の現場である介護付き有料老人ホームで働くことになります。また、介護技術を学びながら、日本語能力試験にも合格しなければならず、実習生にとってかなりハードな生活となります。この日本語能力試験が不合格となった場合は帰国することになり、せっかく得た介護技術も日本で活かせないという状況にもなりかねません。

 

 日本の介護施設の人材不足は有名ですが、一方で中国やベトナムでも高齢化が進み、同じように介護職の人材が多く求められています。送り出し国にとっては、日本から介護技術を持ち帰った実習生たちが、母国で人材育成のリーダーとなることに大きく期待していることでしょう。

 

 この技能実習法が創設されたことにより、実習生の皆さんがより良い環境のもとで最良の成果を得られることを期待しています。