在留資格「日本人の配偶者等」~国際結婚の手続きについて~

 このたび、ある日本人男性がベトナム在住の女性との交際を実らせ、ご結婚されました。

さっそく奥様を日本に呼び寄せるために在留資格取得のご依頼を頂きましたが、今回は2点注意ポイントがありましたので、その部分の審査をクリアするべく注力致しました。

 

 配偶者ビザ申請の審査において、問題になりやすい要素が以下のとおりいくつかあります。

○過去に離婚歴がある。→その中でも、離婚回数が複数あったり、前回の婚姻の期間が短かったりする場合。

○配偶者の収入が少ない、もしくは不安定である。→生計の安定性は重要項目のひとつです。

○交際期間が前回の期間と重なっている。→前回の婚姻の信ぴょう性を疑われたり、素行不良の印象を与えてしまうことになります。

●交際期間が短い。→出会って数か月での結婚や、離婚後すぐの結婚など。

●年齢差が大きい。→とくに15歳以上の差がある場合。

 

などです。今回の場合、●の2項目について当てはまっていましたので、この部分について丁寧に実証・説明を加えました。

 

 この男性は、ベトナムでの婚活パーティを通じて女性と知り合いました。お互いに気持ちが通じ合い、結婚に至るまでに時間はかかりませんでした。交際期間6ヵ月のスピード結婚です。これが日本人同士であれば何の問題もなく、今やスピード婚は珍しいことではありません。ですが、一方が外国の方で、その方を日本に呼び寄せようとなると、偽装結婚でないことを実証しなければならない要素となってしまうのです。そしてもうひとつ、おふたりの年齢差が15歳あるということ。とくに女性が年下であると、あらぬ疑いをもたれやすいため、こちらについても丁寧な説明が必要となります。

 

 そこで、「日本人の配偶者等」在留資格の申請必要書類中、「質問書」と「スナップ写真」において、かなり詳細に出会いからの経緯を伝えました。まず、「質問書」のなかに“結婚に至った経緯について”という項目があります。ここはフリースペースのため、こちらの腕の見せ所です。つい面倒なので、端折って簡潔にピックアップしてしまいがちですが、パスポートに記録されている渡航履歴を一つ漏らさず記し、できるだけ「スナップ写真」のエピソードと照合できるように持っていきます。別項目でお互いの渡航歴を聞かれますが、この部分ともきちんと照合できるよう時期を正確に記載します。

 そしてもうひとつ、「スナップ写真」にもひと工夫必要です。写真には、できるだけお互いの親族や友人、知人など、たくさんの関係者が写っているものを用意します。また、結婚式の写真は二人きりのものだといろいろ疑われる可能性があるため、必ず親族や友人など複数人が写っているものが必要です。当事務所では、画像をエクセルに張り付け、写真1枚ずつにその日付と場所、写っている人すべての続柄を(「左から2番目:妻の友人」というふうに)説明します。ここでの日付と場所とが、先ほどの質問書のエピソード項目とそれぞれ合致し、またパスポート履歴とも照合できれば良好です!

 

 というわけで、法務省ホームページにある申請必要書類一覧では、単に「スナップ写真/夫婦がはっきりと写っているもの2~3枚」とありますが、今回のように問題要素がある場合には、さらに10枚ぐらいの写真と、あとは交際期間にお互いにやりとりしたメールやSNSの履歴などを一緒に添付するのがおすすめです。

 

 今のところ追加指示がきていないので、たぶんOKでしょう!

     Congratulations!!!